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夕焼け堂のターニャさん

夕焼け堂のターニャさん番外編~今こそ心をひとつに~

夕焼け堂のターニャさん番外編~今こそ心をひとつに~

 四月に入り、辺りを覆っていた雪も溶け、少しずつ冬の寒さも和らいできた今日この頃。
 雪が溶けてなくなるのと同じように、小樽の街並みから観光客の姿も消えてしまった……。
 現在世界各国で新型コロナウィルスが猛威を振るっていて、たくさんの人たちが感染し、命を落としている。また、感染していなかったとしても、外出の規制や、仕事の縮小などで経済的に厳しい状況に陥ったり、様々なところに影響が出ている。
 小樽のような観光地も例外ではなく、街並みは閑散としている。
「はぁ、参ったなぁ」
 大和さんがため息交じりに呟く。
 東京の方では現在非常事態宣言が出ているようですが、近々全都道府県に対しても発令されるらしいとのこと。
 そうなると、ただですら観光客が激減しているのに、さらに輪をかけて自体が悪化することは避けられないでしょう……。
 夕焼け堂も現在のところはお店を開けてはいますが、お客さんはほとんどおらず開店休業状態です。
「何とかしないといけませんネ……」
 とは言ったものの、お客さんが来ないのではどうしていいものやら……。
「よう、ターニャ、ちょっといいかな?」
 店の裏口からハヤカがやって来た。
「ハヤカ、どうしましたカ?」
「あぁ、知っての通り、Cafe夕焼け堂及び、Jazz&Bar夕焼け堂の方もお客さんがほとんどいない状況なんだよ。このままじゃヤバいのは火を見るより明らかだろ?」
 ハヤカの言う通り、今は夕焼け堂の大ピンチ……。それは重々分かってはいるのですが……。
「だからさ、明日は定休日だし、みんな集めて作戦会議をしないか?三人寄れば文殊の知恵って言うしさ。みんなで話し合えばいい案が出るかもしれないだろ?」
 確かに何もしなければこのまま何も変わらないのは事実。一度みんなで意見を出し合ってみるのも良いかもしれませんね。
「そうですね。それでは明日の10時にCafe夕焼け堂に集合にしましょうカ?」
「了解。それじゃあたしはそろそろ店に戻るよ。お客さんがいないといっても仕事中だからね」
 そう言ってハヤカは腰まで届きそうな髪を翻してCafeの方へ戻って行った。
「う~ん、やっぱり葉野香さん、カッコいいですよね。あたし憧れちゃうな」
 とんぼちゃんが呟きながらハヤカの後ろ姿を見送っている。
「ないものねだりだな。おまえじゃ無理だな……」
一ノ瀬君がハヤカを見送るとんぼちゃんに言い放った。
「どうせあたしはチビですよ~だ!いつか絶対見返してやるんだから」
 とんぼちゃんは頬をぷくっと膨らませた。
「誰も身長のことなんか言ってないだろ。気にし過ぎなんだよ」
 やれやれと呆れた顔で一ノ瀬君が呟いた。
「だっておまえじゃ無理だって言ったじゃん!」
「とにかく、お前はお前にしかなれないってことだよ」
 そう言うと一ノ瀬君は工房の方に戻って行った。
「もう、何よ、ちょっと背が高いからって威張っちゃってさ!」
 さらに頬を膨らませて赤くなるとんぼちゃん。
「まぁまぁ、とんぼちゃん、さっきのはきっと悪い意味じゃないと思いますよ?」
 とんぼちゃんはとんぼちゃんのままで十分魅力的だってことですよね、一ノ瀬君?
「どういうことですか、ターニャさん?ってどうしてニヤニヤしてるんですか?」
 とんぼちゃんの頭上にハテナマークが浮かび上がる。
「何でもありませんヨ。さぁ、仕事に戻りましょうカ」
 その一言を合図に皆それぞれに持ち場に戻って行った。

 次の日、水曜日で仕事は定休日だったため、予定通り今後の方針を決めるためにCafe夕焼け堂に足を運んだ。
 元々こちらの従業員は私、大和さん、一ノ瀬君と、バイトのとんぼちゃんの四人だけのため、全員で参加することとなりました。
 Cafeにはすでにハヤカと瑞穂さんが来ていて私たちを出迎えてくれた。
「これで全員集まったな。それじゃ早速で悪いけど作戦会議を始めようか」
 ハヤカが椅子から立ち上がり言った。
「おいおい、葉野香嬢ちゃん、俺を差し置いて始めちまうのは感心できないなぁ」
 不意に厨房の方から声がした。
「ああ、悪いね、タモっちゃん。少しでも早く始めた方がいいと思ってさ」
「だからタモっちゃんって呼ぶんじゃねぇよ、葵さんと呼べって言ってるだろ、全く……」
 そう言いながら厨房の方からこちらに向かって歩いてくる男性、彼は葵保(あおいたもつ)さん。年齢は29歳でCafe夕焼け堂、Jazz&Bar夕焼け堂の料理長さんです。
 見た目は金髪にサングラスと少し?怖いですが、実はとても優しい方です。何でも昔はハヤカのお兄さんが総長をしていた、石狩巣苦乱舞留(いしかりスクランブル)というチームのメンバーだったそうです。どんなグループだったのでしょうカ?私には良く分かりませんが……。
「あんまり気負い過ぎてちゃ良い案なんて浮かばないぜ?これでも飲んでリラックスするんだな」
 葵さんはそう言うと、人数分淹れたロシアンティーを運んできてくれた。
「わぁ、気が利いてるじゃん、さすがタモっちゃん!」
 そう言いながら瑞穂さんがカップを手に取った。
「おうよ、俺は紳士が服を着ているようなもんだからな。ってだからタモっちゃんて言うな!」
「う~ん、でもタモっちゃんってコックの格好してたら海賊のサ○ジだよね。タバコ咥えてたら更に似てるよね」
 何だか瑞穂さんが不思議なことを言い出しました。
「馬鹿野郎!タバコは身体に悪いし、味覚がおかしくなるんだよ!真の料理人はタバコは吸わねぇんだよ。それに俺はサン○じゃねぇ!苗字が同じだから葵さんに憧れてんだよ!」
「葵さんって葵ちゃん?きんぎょ注○報の?だから金髪にサングラスかけてるんだ?ってかなりネタ古いよ!分かる人いないよきっと」
「分かるお前もかなりだよ……」
 二人共何の話をしてるかサッパリです……。
「ゴホン、いきなり脱線するんじゃないよ。今は夕焼け堂のピンチなんだ。馬鹿やってる暇があったら何か良い案を考えろ、まったく……」
 ハヤカの一喝で場に緊張感が戻りました。さすがハヤカです。
「さすが総長の妹だぜ。気合いが違うねぇ」
 葵さんも感心している様子です。
「ならまず現在の状況をまとめましょう。硝子工房側と、カフェ側の問題点を把握しましょう」
 黙っていた一ノ瀬君が口を開いた。
「そうだね。まずは状況の整理から始めようか。僕が書記をさせてもらうよ」
 大和さんがメモ帳とペンを取り出しながら言った。

 その後しばらく話し合いが続きましたが、工房、カフェ共に一番の問題なのはお客さんが来ない(来れない)こと。それによる売り上げの低迷……。これは火を見るより明らかです。
 この状況を打破するためにはどうしたら良いのかが重要になるわけですが、現在非常事態宣言が発令中で外出が制限されているため、堂々と「店に来てください」と呼びかけるのはNGです。
 そこで思いついたというか、当然のように行き着いた答えが、「ネット販売」です。これはおそらく何処のお店も思いつく対策だと思います。
 とはいえ、私にはパソコンでそのようなことをする技術は全くありまセン……。
「う~ん、まずはホームページ的なものを作成してそこから注文が出来るようにしないとダメだね」
 瑞穂さんが顎に手を当てながら呟く。
「誰かパソコンに詳しい人いるかな?僕は生憎ホームページの作成はやったことがないな」
 大和さんが申し訳なさそうに言った。
 しばらく場にシーンと静寂が流れた。
「あの、簡単なものでよければ何とかなると思います」
 その静寂を打ち破ったのは一ノ瀬君でした。
「一ノ瀬君、パソコンに詳しかったのですネ。知りませんでした」
「いえ、詳しいと言っても少しだけです。あまり期待はしないで下さい」
 一ノ瀬君はそう言いましたが、ホームページを作れるのは現状一ノ瀬君だけのようですので、大いに期待してしまいます。
 それからしばらく夕焼け堂のホームページをどのようにするかを色々と話し合いました。
「ちょっといいですか?あたし全くホームページなんて作れないからあまり偉そうなことは言えないんですけど、よくある通販サイトって、割と商品の写真と簡単な説明があるだけで素っ気無い気がするんです」
 とんぼちゃんが手を挙げて発言する。そしてさらに続けて言った。
「なので、夕焼け堂のホームページは製作者側の顔が見えるような、何ていうのかなぁ、温かい感じのサイトがいいなって思うんです。スタッフのプロフィールとか、商品に対する思いなんかも掲載したらどうでしょうか?」
 熱のこもった演説を終え、とんぼちゃんがみんなの顔を少し恥ずかしそうに見回している。
「それはいいかもしれないね。商品と一緒に気持ちも添えるわけだね。なら売れた商品に対して、製作者から手書きのメッセージを添えるのもいいかもしれないね」
 大和さんがとんぼちゃんの意見に追加で案を出す。
「皆さん、ステキな案ですね。では私からもひとつ提案よろしいでしょうカ?現在、夕焼け堂はほとんどお客さんが来ないので、開店休業状態です。なので、店番を一人ずつ交代制にして、残りの3人は製作に専念してもらいます」
 そこまで話すと、とんぼちゃんが割って入った。
「ターニャさん、ということはあたしも製作に参加するってことですか??」
「もちろん、とんぼちゃんにも大和さんにも製作に参加してもらいます。さすがに私や一ノ瀬君のようには難しいと思いますが、一生懸命教えますので頑張りましょうネ」
 四人いれば四人それぞれの違った味が出るのできっと面白い作品ができると思います。
「うぅ、なんかあたしの作ったのだけ売れ残りそうで不安だなぁ……」
 とんぼちゃんは不安そうに頭を抱える。
「まぁ、何処の世界にも物好きはいるから大丈夫だろ」
 一ノ瀬君がとんぼちゃんの背中を後押し?する。
「まぁ僕も初心者みたいなものだからお互い頑張ろう!」
 大和さんもとんぼちゃんを励まし、ポンと肩を叩いた。
「はい!大和さん。あたし頑張ってみます!一ノ瀬先輩をギャフンと言わせてやります!」
 拳をグっと握り決意を露にするとんぼちゃん。
「まぁ少しは期待しておいてやるよ。それより今時ギャフンはないだろ、ギャフンは」
「いちいちうるさいですね、先輩は!そんなだからモテないんですよ!」
「余計なお世話だよ」
 何とか無事?話がまとまりそうで何よりデス……。
「いいなぁ、あっちは何だか盛り上がってるね」
 瑞穂さんが羨ましそうにこちらを見ている。
「よし、それじゃ工房チームに負けないようにこっちも良い案を出さないとな」
 ハヤカはグイっとロシアンティを飲み干した。

「さて、それじゃこっちも負けずに案を出さないといけないが、残念ながら俺は料理を作る以外に能はないぜ?」
 タモっ、こほん、葵さんはどうだ!と言わんばかりに胸を張って答えた。
「まぁ実際、うちは飲食店だからそれはそうなんだよな。だけどお客が来ないんじゃ商売のしようがないのも事実……。そうなるとこちらも考えられる手段はデリバリーしかないよな」
 ハヤカの言うことは最もデス。ですが、お店で出す料理をそのままネットで販売するのには無理があります。だからと言って今からレトルト用の商品を開発するとなっても時間がかかり過ぎるし、そんな技術はうちにはありません……。
「だよね。そうなると、ターゲットは外出できずに自宅で過ごしている主婦とか、普段は昼休憩に外食するサラリーマンや、OLかな?」
 瑞穂さんの言う通り、現在は非常事態宣言が発令中のため、不必要な外出は自粛ムードにあるので、そういった方を中心にランチや夕食を配達するのがいいかもしれませんね。
「あ、後はね、介護の必要なお年寄りの人達って結構日中はデイサービスに通ってお風呂に入ったり、ご飯食べたりしてるみたいだよね。だけど、そういう所って結構人が集まるから集団感染とかの可能性もあって、休止してる施設も多いらしいんだ。だからデイサービスに通えずに自宅待機しているお年寄りの方も多いと思うんだよね。そんな人達にもお弁当の宅配サービスをしたらどうかな?」
 時々思うのですが、瑞穂さんは普段はつかみどころのない性格をしているのに、ここぞというときには的確な意見や発言をすることが良くあります。どちらが本当の瑞穂さんなのでしょうカ?本当に不思議なヒトです。
「なるほど、それだと社会貢献にも繋がるな。となると高齢者向けのメニューを考えないといけないね。タモっちゃんどうかな?」
 ハヤカはうんうんと頷きながら言った。
「ノープロブレムだ。高齢食からお子様ランチまで栄養バランスを考えた最高の一食を保証してやるよ。あとタモっちゃんって言うな!」
「ウン、何とかなりそうだね」
「ってスルーかよ!」
 一見まとまりがないように見えて、Cafeチームもきっちりと意見を出し合い形になってきつつあります。瑞穂さんや葵さんの個性の強さをハヤカがきっちりとまとめている感じでしょうか。
「後はデリバリーサービスを開始するってことをいかに早く宣伝して知名度を上げれるかだね」
 瑞穂さんの言う通り、デリバリーサービスを開始してもお客さんが知らないのでは意味はありません。
「まずは一ノ瀬君が作ってくれる夕焼け堂のホームページに、Cafe夕焼け堂のコーナーを作ってもらい、そこにメニューや配達可能地域などを掲載しましょう。どうですカ?一ノ瀬君?」
「大丈夫だと思います。注文方法は掲載する予定の電話番号から直接店に電話して注文してもらうようになると思いますが、問題ないでしょうか?」
「ああ、それで十分だ。ただ、当分はどうなるか分からないからランチだけのデリバリーで、要領が掴めてくれば夕食のデリバリーも検討しようか?」
 ハヤカが付け加えて言った。
「それじゃ、あたし学校の友達とか知り合いに連絡して情報の拡散に協力しますね」
 とんぼちゃんがテンション高めに尻尾(ポニーテール)を振りながら言った。
「僕も微力ながら協力させてもらおうかな?」
 不意に後ろから聞き覚えのある声がした。
「聖慈さん?」
 その声にハヤカが真っ先に反応した。
「やぁ、近くに用があったついでにちょっと顔を出してみたんだけど、色々大変そうだね」
 彼は支倉聖慈(はせくらせいじ)さん。一級建築士で、このCafe夕焼け堂の補修や改装を手掛けてくれた方です。
 彼はトレードマークの革ジャンを脱ぎながらこちらに歩いてきた。
「ご無沙汰していまス。聖慈さん。協力とはどういうことでしょうカ?」
 私は先程の聖慈さんの言葉が気になり尋ねた。
「うん、協力って程のことではないんだけど、この近くに僕が設計を手掛けた建物があってね。今建築中なんだけど、そこで働いている大工や職人さんが昼食に利用していた店が最近のコロナ騒ぎで店を閉めているんだ。それで、代わりに夕焼け堂のデリバリーサービスを利用させてもらえたらと思ってね。毎日大体10名くらいなんだけど大丈夫かな?」
 毎日定期的に利用してくれるお客さんが出来るのは夕焼け堂としては嬉しい限りです。
「聖慈さん、助かるよ!サンキュー!」
 ハヤカがギュッと聖慈さんの手を取りながら言った。
「葉野香ったら、午前中からお熱いことですね~」
 瑞穂さんが悪戯っぽく笑いながら呟いた。
「や、別にそういうんじゃないんだ、嬉しくてつい……。って嬉しいってのは仕事の事だからな!」
 ハヤカが顔を赤く染めながら慌てて言い繕った。
「誰も何も言ってないじゃん。そういうのを墓穴を掘るって言うんだよ?葉野香君!」
 勝ち誇ったかのように瑞穂さんが畳みかける。
「相変わらずですね。千歳さんは」
 聖慈さんは、ハハハと笑いながら二人のやり取りを見ている。
「じゃあ今までの案をまとめてみようか?」
 大和さんはメモ帳の新しいページに箇条書きで今までに出てきた案をまとめ出した。
・工房チームは4人全員で作品を作る
・作品に対しての説明や思いをひとつひとつ考える
・購入者に対して直筆のメッセージを添える
・工房及びCafeのホームページを作成する
・Cafeチームは病院や企業、デイサービスに行けないお年寄り等にランチのデリバリーを開始することをホームページやチラシなどを使って宣伝する
・各スタッフで知人にデリバリー開始のお知らせを拡散する
・軌道に乗ってくれば、夕食のデリバリーサービスも開始する
 簡単にまとめればこんなところでしょうカ?
「うん、いいんじゃないかな。これを元に出来ることから早速取り掛かっていくよ。まずはタモっちゃんはランチ用のメニューの考案、瑞穂は宣伝先の企業や病院等のピックアップ、あたしはチラシの作成と、ホームページ用の文章やレイアウトを考えるよ」
 ハヤカは手際よく分担を振り分けていく。
「りょ~かい!」
「最高のメニューを保証するぜ」
「あ、赤字にならないように頼むよ……」
 工房チームも負けてはいられませんネ。
「では一ノ瀬君はホームページの作成を大変だとは思いますがよろしくお願いします。大和さんは宣伝用のチラシとホームページ用の文章、レイアウトをハヤカと協力して作成お願いします。とんぼちゃんは私と工房でとんぼ玉の作成をしてみましょうカ?」
 各々に相槌を打つと、持ち場に移動する。
「じゃあチラシが出来たら僕も職場や現場で宣伝してみるよ。それじゃそろそろ現場に戻るよ、みんな大変だろうけど頑張ってね」
 聖慈さんはそう言うと、手を振ってCafe夕焼け堂を後にした。

 今はどこの地域も大変な苦労を強いられている。もちろん夕焼け堂もその例外ではありません。これから先はどうなるかはわかりませんが、このメンバーで、今こそ心をひとつにして協力していけばきっとどんな困難であっても乗り越えられると私は信じています。止まない雨はないのですから……。
雨が止むそのときまで、綺麗な夕焼けが見れるまで今出来ることを夕焼け堂は頑張っていきます。
 少しでも早く大好きな小樽の街が今まで通りの活気を取り戻せますように……。


あとがきという名のいいわけ

 皆様こんばんは、sayです。現在、新型コロナウィルスの感染拡大のため、非常事態宣が発令されています(5月4日現在)。不要不急の外出が自粛となっている今日この頃、皆様どのようにお過ごしでしょうか?
 少し前に温子ssとして、コロナウィルスの注意喚起的なssを書かせていただいたのですが、今回は注意喚起ではありませんが、現在の小樽の状況と内容をリンクさせてお話を書かせていただきました。
 ですので、夕焼け堂のターニャさん本編とは少しだけ世界軸が異なる感じだと考えていただければありがたいです(おそらく本編ではコロナウィルスは登場しませんのでw)。
 さて、今回のssで登場した、料理人タモっちゃんこと、葵保(あおいたもつ)ですが、このキャラは本編にも登場する予定です。ただ、執筆速度が遅すぎるので、本編に登場するよりも先に、番外編で登場してしまいました(笑)
 タモっちゃんは見た目的には金髪でコックさんが着ている白い制服なのですが、黒いスーツを着たらサンジみたいだな……ということでサングラス装備となりました。
 すると、金髪でサングラス?ってことはクワトロ大尉か、きんぎょ注意報の葵ちゃんみたいだな(年齢バレますねw)となってしまいました。結局偶然考えていた苗字も「葵」だったので、彼の憧れのキャラが葵ちゃんになってしまいました(笑)
 昔は葉野香の兄、達也が総長をしていた暴走族のチームである石狩巣苦乱舞留(いしかりスクランブル)に所属しており、達也の右腕的存在として切り込み隊長をしていたという勝手な設定です(笑)
 新キャラの説明はこれぐらいにして、ssの内容なのですが、現在の小樽の観光地はほとんど観光客がいない状態で、普段の活気は全くないとのことでしたので、もしこの状態の中で夕焼け堂が実際に存在していたらどうなっただろうか?と考えて書いてみました。ただ、経営や商売に関してド素人の自分が考えたことですので、実際にはssのようにはいかないこともあるかとは思いますが、みんなで頑張って乗り切っていく姿を書きたいなと思い、形にさせていただきました。
 実際にお店を経営している方達にとっては本当に大変な状態が続いているかと思います。また、お店に出向きたくても緊急事態宣言発令中のため、出掛けられなくて我慢している方もたくさんいると思います。少しでも早く緊急事態宣言が解除されるように祈るばかりです。そのためにも不要不急の外出を控え、3密と呼ばれる状況を避け、手洗いうがいを励行することをみんなで頑張っていければと切に願っています。
 少し暗い話になってしまいましたが、これからも北へ。に関するssを少しでも書いていければと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。皆様あってのssです。
 ここまで読んでいただきありがとうございました。それではまた次回のssでお会いしましょう。


 2020.5月 say
 

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